電話占い光苑 > 霊能者に聞く > 印象に残った相談実例 第1回
あれは私が、愛知県名古屋市の某所で対面占い師として活動していた頃。ですから正直なところ、まだ自身の霊能力をコントロールすることに完璧には慣れておらず、完全に独立して霊能者を名乗りやっていくには経験不足だと感じていた時分のことです。今でもそうなのですが、愛知県名古屋市は日本でも有数の占い師・霊能者過多の地域と言え、真贋混ざりつつもある意味パワースポットとも呼べる場所だったのです。
当時の私は肩書きこそ占い師でしたが、次々と過去や現状を言い当てご相談者の未来を的中させていたことで、霊能者として口コミが広がり、愛知県名古屋市だけでなく近隣の市町村や隣県からも相談に見えられる方が増えていました。当時、名古屋で配布されていたコミュニティ誌に取材を受け、取り上げられたこともあります。
そんなとき、わざわざ山口県防府市から新幹線で相談に見えに来られたのが、田辺さんとおっしゃる28歳の女性の方でした。
◆相談の概要◆
“霊視するまでもない”、田辺さんが強烈な負のオーラを放っていることは、すぐに感じ取れました。もっと言えば、田辺さんが建物に入ってきた時点で、その霊障の強さを感じ取ることができていました。私の前に直接座った田辺さん、精気も生気も失い存在そのものが霞んでしまいそうなくらいの波動しか届いてきませんでした。
霊視と透視によって、現状は見えていましたが、あえて田辺さんの口から相談内容を語ってもらいました。やはり霊視・透視の結果と寸分違わず、3年間も想い続けていた相手とようやく恋人同士になれたのに、最近すれ違いや些細なことでケンカになり、またいつも誰かの存在を感じてしまうといったものでした。そのとき田辺さんは口にしませんでしたが、私にはその原因が略奪愛により生み出された生き霊による霊障トラブルだと見えていたのです。ですから、「貴女と彼がお付き合いすることで、傷付けてしまった女性がいますね」と私が言ったときの、田辺さんの驚きの表情がすべてを物語っていました。
◆鑑定の内容◆
私自身の霊能力と田辺さんの告白とで、状況は100%把握できました。では一体どんな生き霊によって、霊障トラブルが引き起こされているのか、その生き霊をハッキリと見るために私は霊眼の霊能力によってその姿を見ようとしました。黒い霧とも煙とも言えるモクモクと揺れるものは、鑑定当初から田辺さんの右後ろに見えていました。それを明確に形付けるための霊眼の霊能力なのです。
意識と魂の波長を合わせて見えてきたのは、眼鏡をかけて左頬にホクロのある女性の容姿でした。それだけで、「彼の前カノです」と驚きを込めた口調で、田辺さんはつぶやいたのでした。生き霊の本体が予想通りの人物、かつ憤怒の形相をして怒り狂っている生き霊といったわけでもなかったことが、私の心に油断を生んだと今なら反省と共に理解できます。また、霊能者としての経験が浅かったにもかかわらず、スンナリと霊眼で生き霊の存在が見えたことも、油断した理由のひとつだったかもしれません。ふっと一瞬、気を抜いた瞬間に、生き霊は私の精神に叫んできたのでした。
「この女は私の男を奪った。許せない!許せない!!許せない!!!」
「彼と一緒になるのは私だ。この女が邪魔をした。不幸になれ!」
「この女から未来を奪ってやる。私を邪魔するお前も消えてしまえ!」
言葉の強さだけではありません。強力な負の力を伴って、生き霊の姿に触れた私へも攻撃が始まったのでした。経験が浅かったとは言え、私も生き霊の浄化・浄霊が未経験だったわけではありません。何度経験し、その浄霊成功率は100%でありました。それでもここまで強烈な、それこそ悪意だけで作られたような生き霊には、初めて接しました。
とても説得して浄化を促すことは無理だと判断し、かと言って生き霊の意思を受け入れるわけにもいきません。私は霊能者として、指導を受けていた師匠から独立の際にいただいた霊力の籠った数珠を握り締め、大威徳明王の真言を唱え、師匠から教わった浄霊の言霊を必死に練り上げました。5分とも30分ともわからない、必死に耐えて、必死に唱えての時間が過ぎました。すると急に、スーッと田辺さんに憑いていた生き霊が姿を消したのです。霧散する、と文字通りの瞬間でした。
「あれ、なんだか右肩が軽くなった気がします。それに胸の苦しさも無くなったような気が!」田辺さんの明るい声とにこやかな表情を受けて、ようやく私も浄霊が無事に完了したことを悟ったのでした。
◆霊視鑑定後の経過◆
浄霊直後に感じたのよりも、生き霊はとても強い負の力を持った存在だったようです。鑑定から3日間は、思ったように身体も動かず、精神的にもつらい状態が続きました。霊能力の高まりが感じられず、見た目以上に私の魂は疲弊していたのを悟りました。ですが同時に、よく当たる霊能者として取り上げられたりして、多少天狗になっていた自分への戒めの霊感鑑定として、とても良い機会になったと感じる余裕も後々に幾分出てはきました。
さて相談者の田辺さんですが、浄霊の効果はすぐに表れたようです。鑑定直後にも彼から体調を心配する電話やメールが連続で届き、なんとわざわざ山口県から名古屋まで彼もその日にやって来たのです。そしてこれからは結婚を前提にしてお付き合いすることを確認し合い、名古屋城や熱田神宮などの観光地やパワースポットを巡り、山口県へ帰って行ったのでした。
あれから後、対面鑑定を数年続け、私は今こうして電話占い光苑で電話占いの霊能者として日々活動しています。田辺さんからは、今でもお電話を通して近況の報告をいただくくらいです。私が名古屋で対面鑑定をしていたときの浄霊鑑定から半年後、彼と無事に結婚したことや、今はこれまた有名占い師や霊能者が多い兵庫県の神戸市に引っ越したことなど、あの生き霊に憑かれていたことが嘘のように明るく会話をされるのでした。
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